2021年9月24日に日帰りで妙高山と火打山の2つの百名山を登ってきました。
北アルプスより北限の地域はなかなか足が向きませんでしたが紅葉が始まったとの情報を耳にしたことで登りに行ってみました。下調べをしていると1泊2日で廻るのが一般的のようですが、日帰りで2座を廻っている方もいるのでコースタイムは長くなりますが今回は日帰りで行くことにしました。コースは笹ヶ峰から黒沢池ヒュッテを経由して妙高山をピストン。その後に高谷池経由で火打山をピストンして笹ヶ峰に戻るコース。ゆっくりと廻ってきたので行動時間も14時間とたっぷり山を満喫することができました。
ヘッテンを点けて暗闇の中を登山開始
今回はスタート時間が早いので笹ヶ峰に0:30頃に行って3時間程仮眠をします。
3:53 笹ヶ峰の登山ゲートを潜って登山開始。暫く真っ暗な中を進んでいきます。
登山道はとてもよく整備されておりしばらく木道歩きとなるので真っ暗でも迷うことはないかと思います。しかし歩いているすぐ横でガサガサと草木が動くと何か出でくるんじゃないかと気が気でない。
黙々と歩いていたら十ニ曲の最後まで登ってました。
十二曲りを過ぎて少し進んだ所で薄らと辺りが明るくなりはじめました。朝日が登るまでの薄紫からピンク色へと変化する空色は幻想的でとても好きです。
前方に見えてきたのは妙高山を隠すように聳える三田原山。
と、この辺りで足を滑らせておもいっきり転びました。そして転んだ拍子に卓上のカメラ三脚はバラバラに折れ、サングラスは何処かに飛んでいってしまいました。なんてことはない30cm程の段差で転ぶなんて油断してました。
この辺りのコースは木段や木道となっている所がとても多く登山道が守られています。
火打山方面との分岐。今回は登りが辛そうな妙高山を先に行くので標識は右手に進んでいきます。
この辺りまでくると所々に紅葉を見ることができる。赤色や黄色を見るのも一年振なのでつい見惚れてしまう。
山間からは上信越の山並みがハッキリと見渡せます。この時期になると空気がひんやりしているので歩いていても気持ちいい。
黒沢池湿原からの眺め
目の前が徐々に開けてくるとそこは黒沢池湿原。
木道の脇には花が残っていました。もう少しで花も終わりを迎える時期なので見納めに観察します。
湿原の中に敷かれた木道を進んでいくと黒沢岳方面はいい感じに色づいている。
湿原越しの紅葉を眺めながら歩みを進めていく。この時間帯はちょうど誰もいなかったので景色を独り占めでした。
黒沢池越しの紅葉もいい感じ。これから秋が深まると色づきが濃くなってもっと鮮やかなんだろうな。
見上げると美味しそうなキノコ。
黒沢池ヒュッテから妙高山をピストン
湿原を過ぎると星の観測所みたいな形をした黒沢池ヒュッテがあらわれました。
黒沢池ヒュッテからは妙高山に向かって高度を上げていきます。
紅葉に彩られた木々の中歩みを進める。
はじめのピーク、大倉乗越到着。
ここにきてやっと妙高山を見ることができました。綺麗な形をしてますがここからでも登りはきつそうということがわかる。
紅葉越しの火打山。
大倉乗越からは急な下りとなるので慎重に降りていきます。
途中のトラバースしていると秋の実りの野いちご。そして特徴的な花弁の形をしているトリカブトが彩っていました。
長助池分岐まで降りてきました。ここから妙高山までは登り返しになるので多くの方が休憩してました。
山頂に向けて登り返し。はじめはゴロゴロとした岩場。足下が濡れてるので転ばないよう足の置き場に注意しながら進んでいきます。
今日は二座登るので疲れが溜まらないよう小股でゆっくりと登っていく。
岩壁の黒に紅葉が映える。
山頂が見えてきました。あともう少しだと思うと急に力がみなぎってくる。
妙高山北峰に到着。ここに日本百名山の標識がありますが最高地点はここではなく南峰の妙高大神になります。
写真の下の方にかろうじて一等三角点が写ってますが昔は一等三角点を設置した場所を山頂としていたようでその名残が今も残っているとこのような事が起きます。
北峰からの眺望。火打山を眺めたかったのですがガスに包まれてしまった。
南峰に向かって歩き始めると先月登った立山と剱岳が薄っすらとみえました。
7度竈で焚いても残ると言われるナナカマド。赤い実はそのままでは苦味や酸味が強いですが調理の仕方によって食す事もできるそうです。
9:20 妙高大神が祀られる妙高山南峰に到着。
登っている時には一等三角点を設置した所を山頂としていた話を知らなかったので、こっちの方が高いのに何故百名山の標識がないんだって不思議に思ってました。
小休止をしたら火打山へ向かって歩きはじめます。先ずは黒沢池ヒュッテまで来た道を戻ります。
大倉乗越への登り返し。行きに急坂を下ったポイントなので戻りは当然急登。ここまで登り下りで疲れ気味ですが少しづつ歩みを進めていきます。
登り返しの途中から見た大倉山。この辺りもいい感じに色づいていました。
11:25 黒沢池ヒュッテまで戻ってきました。この時間ともなるとベンチの空きもなくなるほど蜜な状態。小屋で手ぬぐい置いているか聞いてみましたが売っていませんでした。少しだけ休憩したら先を急ぎます。
湿原を眺めながら高谷池まで
次のピーク茶臼山まではなだらかな斜面を登っていきます。
木道の脇にはオヤマリンドウ。
目の前にあらわれる紅葉に癒される。
標高を上げてくると三田原山越しに妙高山の山頂部が顔を出している。
そして眼下には先程までいた黒沢池ヒュッテ。青い屋根が紅葉の中に一際目立っている。
黒沢湿原の中に敷かれた木道。あそこを歩いた時には山に気をとられて気づかなかったが上から見ると湿原の美しさが改めて分かる。
昼を過ぎると雲がどんどんあがってくるので先を急ぐ。
地味な登りがしばらく続く。その疲れを忘れさせるようにシロモノや黄葉が登山道を飾り着ける。
前方に茶臼山が見えてきました。あそこまで行けば高谷池までは下り基調。
高谷池から火打山までピストン
高谷池の分岐まできました。先ずは火打山へ向かいます。予報では15時頃から天気が崩れる予報なので少し急ぎ足で向かいます。
高谷池の池塘を挟んで高谷池ヒュッテとテント場。
天狗の庭へ向かっていると目の前に火打山があらわれました。この辺りは紅葉が進んでいて草紅葉も色鮮やか。
天狗の庭の看板と火打山。
逆さ火打山。風も殆どないので綺麗に写り込んでいる。この辺りは眺望もいいので急ぐつもりが足が前に進まない。黒い雲も出始めていつ雨が降り出してもおかしくないのだけど。
ライチョウ平に到着。火打山はライチョウが生息する北限となっており、この辺りには20羽程が生息しています。
曇天という事もあってライチョウに会える事を期待したましたが今日は隠れて姿をみせてくれませんでした。
山頂までは急な登りもなく淡々と歩いていると目の前が開け標識があらわれました。
14:21 火打山山頂に到着。周りは既にガスに包まれて視界はありませんでした。ここで遅めの昼食にします。荷物を置いて一息入れながらお湯を沸かしているとポツポツとついに雨が降り出しました。本降りになる前に急いで食事を済ませたら直ぐに下山をはじめます。
雨がポツポツと降り出したので、木陰でレインを着込んで高度を下げていく。
天狗の庭まで降りてきました。振り返ると山頂はガスに覆われてしまっていました。
この辺りまで下ってくると雨も止んでいたので高谷池沿いの木道をゆっくり歩きながら小屋へ向かいます
高谷池ヒュッテでひと息ついたら下山
15:29 高谷池ヒュッテに到着。小屋の前にはテーブルがあるので腰かけてしばらく休憩したら小屋の中を見に行きます。
こちらの小屋には手ぬぐいが売ってたので購入。漫画家の鈴木ともこさんデザイン。
テント場や小屋の周辺を散策した後、小屋の裏手より笹ヶ峰に戻ります。
昨年新館が建てられたので収容人数が100名までと増えました。
富士見平迄はアップダウンも少ない平坦な登山道。
振り返って火打山に別れを告げる。
富士見平分岐。ここから笹ヶ峰迄は下り基調。
途中雨も降り出しそして辺りが暗くなり出したのでヘッテンを点けながらの下山。この時間まで行動していたのは久し振りで辺りが薄暗くなっていく様は少しだけ新鮮な感じがしました。
17:58 笹ヶ峰登山口まで戻ってきました。今日は日の出前から行動して日暮れまで山の中にいたのでとても充実した一日でした。
妙高山と火打山どちらを先に登るか迷いましたが振り返ってみると登りが緩やかな火打山を後に登って正解だったと思います。紅葉が始まったばかりで色づきはまだこれからでしたがそれでも赤や黄色に染まった草葉は観ていて癒されました。次回来る時にはテントを担いでもう少し近くの山まで足を延ばしてみたいと思います。
登山日:2021年9月24日
コースタイム
3:53 笹ヶ峰
6:58 黒沢池ヒュッテ
7:23 大倉乗越
9:13 妙高山(北峰)
9:20 妙高山(南峰)
11:25 黒沢池ヒュッテ
12:07 茶臼山
12:28 高谷池
12:55 天狗の庭
14:21 火打山
15:29 高谷池ヒュッテ
16:18 富士見平分岐
15:58 笹ヶ峰
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