2021年2月12日に東北の蔵王山(熊野岳)に樹氷を見に行ってきました。
数年前から見たいと思っていたけどなかなか行くことが出来なかった樹氷巡り。念願かなって見ることができました。当日は快晴で風も弱く、前日までの降雪によってアオモリトドマツも白に染まり自分的には100%の樹氷巡りができてとても印象に残る山旅となりました。
コースは蔵王ライザーワールドからリフトを2つ乗り継いでゲレンデトップ。そこから樹氷を眺めながらお釜のふちにでて右手の刈田岳に寄ってから、馬の背を通って熊野岳へ向かうコース。
駐車場に着くと目の前には絶景が広がる
蔵王ライザーワールドには自宅から車で5時間程かけてきました。朝5時頃にスキー場のある上山市に着いたので山麓のコンビニ駐車場で仮眠をとってから7時半頃にゲレンデ駐車場に着くよう向かいました。ゲレンデまでの道路は圧雪されてましたが雪が積もっているところなどもありスタックしないか心配しながら走りました。
ゲレンデの駐車場に到着すると目の前に入ってきたのは朝日連峰の白い山並み。もうこれだけでも気分上々です。リフトが動く8時半までまだ時間があるのでゆっくりと準備をしてから出発。
この時点で駐車場に30台程しか停まっていませんでした。
リフトに乗ってると突如あらわれる樹氷に圧倒される
先ずはレストハウスへチケットを買いに行きます。ゲレンデトップまではリフトを2つ乗り継ぐのでチケットを2枚(1枚350円✖️2)購入しました。ちなみに下りはリフト禁止なのでゲレンデを歩いて帰ってくることになります。
リフトに乗ってすぐに真っ白に染まった霧氷が光に反射して美しい。
ひとつ目のリストから2つのリフトへの乗り換えの間に見えた飯豊連峰。豪雪地帯だけあって山全体が雪に覆われている。
ふたつ目のリフトに乗っていると目の前に突如現れたアイスモンスター。とても巨大でのっけから圧倒される。この先にどんな樹氷が待っているのかとても楽しみ。
ゲレンデトップから眺める樹氷原の光景が美しすぎた
ゲレンデトップに到着。リフトを降りて顔をあげると目の前には白く輝いている樹氷原が広がっていました。その迫力と樹氷の美しさにしばらく見惚れていました。それからしばらくたってハッと我に返りこれでは何時間あっても時間が足りなくなると思い先に進むことにしました。
歩き出したものの樹氷に目を奪われてついつい足を止めてしまう
後ろ髪を惹かれる思いで歩みを進める
真っ白な雪原に最初の足跡をつけたくて樹氷の間を通って遠回りしていたので、本当に時間がたらなくなるのではないかと心配になり進むことに。
それでも少し登っては振り返り樹氷越しの飯豊連峰と朝日連峰をついつい眺めてしまう
突き抜けるような真っ青な空と樹氷の眺めに「いやーサイコーだなー、幸せだなー」なんて言いながらこの光景を目に焼きつける
左前方に真っ白な熊野岳、後であちらも登りに行きます。
顔がひりひりしはじめて日焼け止めを塗るのを忘れていたことに気づきました。直ぐに日焼け止めを塗ってネックウォーマーで顔をかくして日焼け対策をしましたが「時既に遅し」だったようで翌日は目から下はほんのりと赤黒くなってしまった。
自然が作り出した樹氷はひとつとして同じものがなくずっと眺めていても飽きることがありません。
御田神避難小屋、このように避難小屋があることで吹雪いた時は救われてとてもありがたい
ひとつとして同じ形のないオブジェが飾られた自然の美術館
コース上には一定の間隔でポールが立っているので、このポールに沿って歩けば迷うような事はありませんが、吹雪いていると見失う危険もあるので1/25000地図に数センチ単位で方角と距離を記した地図とコンパスをもっていくことをお勧めします。
標高を上げてくると雪も多くなるのでアイスモンスターからリトルモンスターへ姿を変えていく、ツリーホールもなくなってきたので近づいて触ってみるとカチコチに凍っててとても固い
この時期はリフト乗り場も雪に閉ざされている
この写真はチンアナゴが砂地から顔をだしているように思えるのは自分だけだろうか
樹氷が小さくなってくるとなぜか丸みを帯びてきた。これなんかはジャンケンのグーをだしているようだ
リフトも冬には氷のオブジェとなってアートになっている
コースの中で一番の登り、ここを登りきると広大な稜線(お釜の縁)が広がる。
「あの穴の向こうは何処に繋がっているんだろう」と妄想したくなる幻想的なアイスワールド
広大な稜線から刈田岳へそしてお釜の絶景
お釜の縁にでました。右に行くと刈田岳、左に行くと熊野岳。さて何方を先に登ろうか・・・先ずは分岐から近い刈田岳へ行くことにしました。
昨年は天候不順で縦走を断念した飯豊連峰。今年こそはたおやかな稜線を歩きたい
刈田神社に到着。すべてが巨大な氷のオブジェとなっている。
かろうじて鈴は見えてますがここまで埋まってしまうとお参りするのは難しい
真っ白になっているので分かりづらいですが刈田岳山頂からはお釜の全容がよく見えます。
鳥居もここまで巨大なモンスターと化して荘厳。
なだらかな馬の背を歩んで蔵王山(熊野岳)
馬の背から熊野岳へ向かいます。こんなに広大な稜線を歩けるのはそうそうないので景色を楽しみながら歩んでいく
目印となる木杭は翼が生えたような姿になっている
数日前から行方不明になっていた方が発見されたようです。今日のように晴れていればなだらかで優しい山ですが吹雪いてしまうと厳し山に変貌するのが雪山。天気が悪い時には登らない、急に天気が崩れてしまった時はセーフティを保てるようしっかりとした装備を心がけることを忘れないようにしていこうと思います。
広大でなだらかな稜線を歩くとついつい踏み固められたコースから外れて自分だけの足跡を残してみたくなる
この時の気温は零度とこの時期にしては暖かくて動くとジンワリと汗が滲みました
熊野岳避難小屋に到着。山頂は写真左方面へもう少し進んだ所になります。
この荒々しい凍りづきからこの辺りの天候が厳しいということがわかる
東北の名峰たちの眺めに感動
避難小屋の裏手からはなだらかな山容の月山。登った時には天候に恵まれずガスに覆われていたので何処かのタイミングでリベンジに行きたい。そして右の写真にうっすらと写っているのは鳥海山。こちらも夏に登りましたが素晴らしい山だったと良い思い出しかないので、こちらの山にも機会があれば登りにいきたいと思います。
山並みの向こうにうっすらと映し出されている栗駒山。山全体が紅に染まるタイミングに合わせていきたいと思う
熊野岳山頂に到着。山頂からは飯豊連峰、朝日岳、月山、鳥海山など東北の名峰を見渡すことができて感動ものです。
熊野神社は凍りついてそれが神社であることさえわかりませんでした。
山頂広場で風が当たらない所を選んで少し早めのランチ。
早く樹氷のあるところまで下りて瞼に焼きつける
ランチを終えたらもう一度ゆっくりと樹氷みたいので標高を下げていきます
そのまえにお釜をもう少しじっくり見にお釜のふちの近くまでいってみます。
刈田リフト乗り場の近くまで下りてきました。左の塔のようなものは一体なんなのだろうか
下りはコースを少し外れて樹氷に近づいてみます。この辺りの樹氷は雪に覆われて真っ白で本当に素晴らしい
ひなん小屋に寄ろうかと思いましたが先客が休んでおり邪魔になってはいけないので中には入りませんでした。
ツリーホールに注意しながら樹氷群の中を縦横無尽に歩き廻る。
二つの樹氷が寄り添っている形がカップルにみえるので夫婦樹氷と名付けよう
標高を下げてくると樹氷が巨大化してきますが気温が上がったこともあって雪化粧も溶けてきてしまった。
最高の一日だった思い出を胸にゲレンデを下る
下りはゲレンデの端っこを歩いて下っていきます。これだけ空いてるゲレンデならばスキー客に迷惑をかけることがないのでシリセードを持ってくればよかった。
ゆっくり回ってきたつもりでしたが14時頃にはリフト乗り場まで戻ってきました。
前々から見たと思っていた蔵王の樹氷を晴天の日に巡れたのはとても幸せでした。今、目を閉じて思い浮かべても樹氷原が広大で美しい光景は目に焼き付いています。来年も天候さえあえば会いにあいにきたいと思います。そして最後に最高だったーーー。
登山日:2021年2月12日
コース:
8:45 ライザワールドゲレンデトップ
9:39 お田神避難小屋
10:33 刈田岳
11:11 馬の背
11:46 蔵王山
14:00 ライザワールドリフト乗り場
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