2020年12月11日 妙義山に登りに行ってきました。
いつも近くを通るたびにいつかは登ろうと思っていましたが鎖と岩場が連続して難易度の高いコースなのでなかなか足が向きませんでした。しかし先送りもそろそろ終わりにしようと意を決して登りに行ってきました。
妙義山は赤城山、榛名山とともに上毛三山に数えられています。また、奇岩が至る所でみれることから日本3大奇景にも選定されています。標高こそ高い山ではありませんが登り初めから鎖や岩稜が連続し緊張感を強いられるので体力よりも心の方が削られる山行となりました。
白雲山がゴツゴツし過ぎて登れるのかって不安なまま登山開始
平日で車も少なかったので道の駅みょうぎに駐車させてもらいました。ここからみる白雲山は迫力があって登る前からこんな所登れるのかって不安を抱きながら出発。画面の中央付近に見えるのは大の字。あそこにも寄っていく予定です。
駐車場から少し進むと妙義神社の入り口には立派な大鳥居があります。登山口は本殿の近くにあるのでまずは無事に山行が終えられるようお参りしてから登ることことにしました。
本殿に向かう途中には朱色をした立派な総門。関東一の壮大さで国指定重要文化財にもなっています。
無事に戻ってこれるように祈願して登山口へ
本殿まできました。妙義神社は537年に創建され日本武尊を初めとして名だたる神々が祀られています。山行の無事を祈願をしたら右手の登山口へ向かいます
登山口の横には登山届のボックスが設置されてます。自分はいつものようにコンパスで提出済みなのでそのまま進みます。登る前から至る所に「上級者コース」、「危険」という文字が目につくのでイヤでも緊張感が高まる。
さて行くかと意気込んで登ろうと思ったら倒木の為迂回路へ促す張り紙。気合を入れたのにのっけから気を挫かれるじゃないか。それでも気を取り直して登山開始!
先ずは大の字を目指して登っていきます。「大の字」とは妙義神社の妙義大権現の「大」を表したもので、妙義神社までお参りにいけない人が代わりに道中から「大」を目印にしてお参りしたそうです。
登山道には落葉が堆積しているのでルートが見えないところなどもありますがリボンや標識はしっかりあるのでそれらを見ていれば迷うようなことはありません。
早くも鎖が出てきました。といっても、この時期であればまだ凍っていないのでこのくらいであれば鎖を使わなくても登って行けます
今回気になったものの一つとしてこのような洞穴がいくつもあったこと。今回は行きませんでしたが金洞山コースは石の真ん中がすっぽりと穴が空いた石門見ることができるのですがこのような穴も何千年かしたら徐々に削れて石門のようになるのだろうか。
ここにも鎖がつけられますが斜度は緩めなのでここも鎖を使うようなことはありません。登り切れば大の字下の分岐にでます。
大の字からの眺望に感動
大の字下の分岐まできました。左に少し行くと「大の字」、右へ進むと「辻」。
大の字の下まできました。大の字までは岩を登るような所はないかなと思ってたので誤算でした。なるべく鎖は使いたくないのでしっかり岩をホールドしながら登りました。
岩を登ると目の前に「大」の字。駐車場からはとても小さく見えましたが実際目の前にすると大きい。そしてここからの眺望が素晴らしかった!
こちらは榛名方面。空気が澄んでいるのか榛名富士や相馬山(榛名山)までハッキリと見てとれる
そして赤城山方面には赤城の最高峰となる黒檜山をはじめとして地蔵岳や長七郎山。そして背後には日光白根山まで見渡すことができました。赤城山は残雪期に大沼が凍っているうちに登りに行こうと思います。
こちらは御荷鉾山系方面。まだ未踏の地。行ったことがない山は未知の体験や景色が待ってたりするのでワクワク感が高まります
そして振り返ると目の前には大迫力の白雲山。これから稜線を目指しますがこんな所をどうやって登っていくのだろうか。
次のポイント「辻」をへ向かいます。その途中に大の字の裏側から街並みを眺める。あんな岸壁の上に設置するのは大変だったろうな。
垂直な壁と鎖場に緊張の連続
「辻」に到着。ここから先は垂直の岩場を登ったり緊張を強いられるポイントが続きます
奥の院に到着。これだけみるとなんてことはない写真ですがすぐ横には垂直の岩場に鎖がつけられてます
その鎖がこちら。垂直に近い岩場を30m程登っていくのですが途中で下をみると高度感もあるのでかなり怖い。鎖と岩をしっかり掴んでゆっくり登りました。既にお気づきの方もいると思いますが自撮りをしているので登って降りてカメラを回収してそしてまた登るので普通に登るよりも倍の体力を使います。
怖い思いをした後にはご褒美が待っていた
見晴らしまで上がってきました。怖い思いをした先にはここにも絶景のご褒美が待ってました。
岩の先に立つと周りに遮るものはないので気分爽快。足元は切れ落ちているのでスリル満点。そして見渡せば素晴らしい眺望。
近代登山の父ウォルター・ウェストンによって初めて登られた筆頭岩から金鶏山。あちらを登るにはクライミングの技術が必要になりそうなのでこの先も行くことはないかな。
裏妙義山とその後ろには浅間山。この所晴天続きで浅間山の雪は殆ど溶けてしまっているようだ。
こちらは谷川岳方面。白く見えますが岩肌に黒い所もあるのでまだ雪は少なそう。
眼下に駐車場。あそこから登ってきたのか。見晴から先もまだまだ鎖場が続くので気を引き締めていかないといけない。
ビビリ岩に到着。ここからは上を見上げても先が見えないので不安を抱きながらよじ登るとその先は崖をトラバースするように鎖が続いてました。
そしてこちらがトラバース中の一枚。写真では分かりづらいですが足を滑らせれば確実にあの世行きになるので注意MAXで渡ります
少し進むと次は背ビレ岩。ホールドはとりやすいですが両側が切れ落ちてて高度感があって怖いので慎重に登っていく
背びれ岩の上から見下ろすと両側が切れ落ちているのがよくわかる
緊張感が続いて疲れたので展望の良い所でしばし休憩
今日、一番緊張した大のぞきまできました。そして向こうに見える切り立った岩峰は天狗岩。
ここからは10mの鎖2本と30mの鎖1本で約50mを下っていくのですが高度感があるのと足元が滑りそうなので緊張しっぱなし
途中から少し斜めに下っていくのだがこれがまた怖い
もう少しで下りも終わりという所で上をみあげるとすごい高度感。よくこんなところを降りられたなとしみじみ思う
登り返して天狗岩に到着。天狗岩はここに立つよりも周りから見た方が切れだった岩峰というのがよくわかるのでお勧め。ここからはタルワキ沢のコルまで下っていきます
タルワキ沢のコル迄まで下ってきました。帰りはタルワキ沢分岐へ下りますが、その前に相馬岳へ登ります。
表妙義の最高峰からの眺望も素晴らしかった
表妙義の最高峰、相馬岳に到着。
相馬岳からは鷹戻し、金洞山、星穴岳の岩峰群が並んでます。あちらは更に険しそうなので今日は行かずに次回にとっておくことにします。
戦艦のデッキように平らな稜線をもつ荒船山。その背後に見えるのは八ヶ岳。ここから見ると八ヶ岳もまだ雪は少なそう。
今日は空気が澄んでいるのか山頂の噴煙までハッキリと見える。12/11時点で噴火警戒レベルは2で山頂火口から2キロ以内は立ち入り禁止になってます。
相馬岳側から下った時にみた天狗岩。全景が収まらないほど深くて迫力に圧倒される
落ち葉とザレ場のタルワキ沢を滑るように下る
帰りはタルワキ沢分岐へ下ります。登山道には落ち葉が積もっているのと砂利が滑るので下るのにも注意が必要。実際にズルッと滑って尻もちを着きました。
下山途中に下から見上げた岸壁。50m位はありそうで下から見上げると凄い迫力
タルワキ沢分岐まで下りてきました。ここからは中間道を妙義神社方面へ戻ります。ここまでくれば登山道もよく整備されているので歩きやすい。
「ジ・コ・ボ・ウ・シ」の看板。このワードを心に留めておきましょう。
紅葉越しの金鶏山方面。稜線に飛び出ている2つの尖がり部分が鬼の角のように思えてならない。
この先はヘルメットが必要になる箇所はないので脱ぎました。下りでも汗をかいていたので風があたるとヒンヤリとしてここちよい。
第2見晴らしから望む岩峰に惹きつけられる
第二見晴しからの相馬岳と天狗岳。下から見るとどちらの山も大迫力。
こんな景色は滅多にみれないので岩に腰かけてしばらく眺めていました。
妙義神社に戻る途中に紅葉が残ってました。ここ何年かは紅葉が遅くなってるのか12月中旬でもここまで残ってると温暖化が気になります。
妙義神社の本殿まで戻ってきました。この時間になると参拝者も多く来られていました。
「落ちることなく」無事に戻って来れたので、家の受験生のために社殿で学業御守を購入しました。ご利益あってほしい。
妙義山は噂通り垂直の岩場を登ったり下ったり危険個所が多くありますが、それでも登った先から見る奇岩群の絶景は他の山ではみれない眺望なので登山経験を積んでいる方は一度は行ってみることをおススメします。今回、金洞山方面には行きませんでしたが次回くるときには中之嶽神社から石門めぐりコースを歩いてみたいと思います。
登山日:2020年12月11日
コース:
7:22 道の駅みょうぎ
7:35 妙義神社
8:25 大の字
9:18 見晴
10:11 大のぞき
11:02 天狗岳
12:03 相馬岳
13:18 第二見晴
14:05 妙義神社
14:17 道の駅みようぎ
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