2021年8月20日~21日 室堂から立山と剱岳に行ってきました。
前々から廻ってこようと思っていた立山と剱岳。交通の便がよく行きやすいので後回しにしていましたがそろそろ行くかと思い立って廻ってきました。コースは初日に立山を廻って剱沢キャンプ場でテント泊。翌日は剱岳に登って室堂に戻ってくる一泊二日のコース。
4つの乗り物を乗り継いで扇沢から室堂へ向かう
6:35 扇沢駅に到着。始発の電気バスに乗り遅れたかなと思っていたらこの日は7:30が始発。まだ乗車券も販売前だったので購入の列に並んで待ちます。自分の前には30人程しかいなかったのでこの時期にしては空いているほうだと思う。
扇沢からは電気バスで黒部ダムへ移動。前に来た時にはトロリーバスだったので電気バスは初めての体験。
黒部ダムに到着。ここからはダムを渡ってケーブルカー乗り場へ向かいます。
黒部ダムからの眺め。赤牛岳は山頂付近の山肌が赤茶色をしているのでひと目で分かる。
目の前には富士の折立をはじめとする立山の峰々。
ここからはケーブルカーで黒部平へあがります。乗り換えの度に15〜30分程待つので室堂にあがるにもかなり時間がかかりました。
オレンジとカステラカラーでレトロな車両。雪害を防ぐために日本で唯一全線が地下に作られている。
黒部平からはロープウェイで移動。
黒部平から大観峰の間は支柱が一本もないので景観がとてもよい。
赤牛岳の山頂から延びる稜線。黒部からも歩けるが行くならば新穂高か高瀬ダムから入って巡りたい。
黒部湖はこの所の天候不順によってダムの水も濁ってしまっている。
大観峰に到着。
テラスからは五竜岳、鹿島槍ヶ岳、スバリ岳、針ノ木岳など後立山連峰を見渡すことができる。
室堂に向かう最後の乗り物は日本で唯一運行されているトロリーバス。トンネルの中では破砕帯や赤沢岳の真下を通るなど見所があるので乗っていても楽しい。
室堂平から絶景を眺めつつ雄山へ向かう
9:15 室堂に到着。ターミナルから出ると目の前には室堂平の雄大な景色が目に飛び込んでくる。
目の前に見えているのは立山。早くあの稜線を歩きたい。
立山の拠点というだけあってターミナル付近にはこれから観光や登山をする多くの方が準備をしている。
9:16 登山スタート。先ずは雄山を目指して進んでいきます。
当面の間は舗装路を進んでいきます。
振り返って室堂平。
室堂山荘方面。
夏も後半を迎えましてがそれでもこの辺りは雪渓が残っていました。
最初の祠で旅の祈願をします。
少し標高を上げると遥か遠くに日本海。
10:01 一の越山荘に到着。ここで水を汲んでくるのを忘れてた事に気づきました。山荘でプラティパスに入れてもらうと思いましたがペットボトルしかないと言うので500mlを1本400円で購入。
室堂平と大日連峰の眺望。真っ青な空ではありませんがこの所の天候不順の中ではまあまあの天気。
ここからは高度を上げて雄山山頂を目指します。
一の腰山荘からはガレた斜面を登っていきます。前方に見える建物は山頂直下の社務所。
社務所の目前まで登ってきました。ここまで来れば山頂はもう目と鼻の先。
社務所で登拝料を納めたら雄山神社で祈祷してもらいます。
10:55 雄山の山頂からの眺め。
祈祷の後に神主よりありがたいお言葉をいただく。饒舌で話も楽しく聞くことができました。
記念撮影をしようとするも人が多くてゆっくりと撮ることができないので諦めて次に進むことに。
3000m峰の稜線
ここから先は稜線歩き。晴れていれば北アルプスをはじめとして絶景の眺望なのですが今日はガスが出てるので期待薄。
11:36 立山は雄山、大汝山、富士の折立の総称で大汝山は最高峰。
山頂から少し下った所には大汝休憩所。
前方に見えているのは富士の折立。ここでザックをデポして頂上へ向かいます。といっても数分で登れてしまうので大した事はありません。
11:56 富士の折立に到着。真っ白で殆ど視界がないので写真を撮ったらさっさとザックをデポしたポイントまで戻ります。
更に進んでいくと少し視界が開けて真砂岳へ向かう縦走路があらわれました。
真砂沢カール。この辺りにはまだ多くの雪が残っていました。
真砂岳に到着。この辺りからポツポツと降り出した雨が強くなってきた。
靄の向こうにはうっすらと雷鳥沢キャンプ場。
別山を登った後は劔沢キャンプ場に降っていく。
剱岳を眺めつつ宿泊地の剱沢キャップ場へ
雲の切れ間からは剱岳が顔をだしました。
14:37 劔沢キャンプ場に到着。テントを張って、その後はゴロゴロしたり夕飯を食べたら明日に備えて早めに就寝。
2日目
3:30 劔沢キャンプ場を出発。別山尾根の登山口がある剣山荘へ向かいます。
剱沢キャンプ場から朝日に照らされる前剱岳まで
真っ暗な中をヘッドライトひとつで進んでいくのでルートを間違わないか少し心配してましたが登山道には10m程の間隔でマーカーがつけてあったので迷うことなく剣山荘まで行けました。
剣山荘から少し登ると鎖場が出てきます。鎖場には番号が丁寧につけられているので自分がどのあたりにいるのか目印になります。
5:12 前剱岳山頂からは短い時間でしたが朝日を拝むことができました。周りが徐々に照らされてオレンジ色に染まっていく光景はとても美しく感動的。
鎖場を越えて山頂へ
前剱岳以降は真っ白な中を黙々と登っていきます。
小雨混じりの天候ということもあって他に登っている人は殆どいないので自分のペースで進むことができる。
標識は厳しい環境に晒され文字も剥げてしまい顔を近づけないと読むことが難しい。
剱岳登山のポイントの一つになっているカニのたてばいに到着。
岩壁には鉄杭が打ち込まれているのでそれを足掛かりにすれば難しい事はありませんが濡れてると滑るので注意が必要。
山頂に到着。景色なく小雨が降る中を登っていたのでここまでの写真は少なめです。到着した時は先着1名でお互いに写真を撮ったりしながらしばらく山談義。
アクシデントもありつつ剣山荘まで
垂直の鉄梯子まで降りてきました。ここでちょっとしたハプニング。動画を撮ってiphoneをしまおうと思った瞬間に手を滑らせて梯子と岩の間に落としました。「ガラ、ガラ、ガラ・・・ゴン」と、終わった。やっちまった。あ〜ってため息つきながら梯子を降りて iphone を拾いに行きます。5m程は落ちたので画面は割れたよなと思って拾いあげると何と大きな傷はなく無事でした。カバーをしてたのと梯子と岩にぶつかりながら落ちたので勢いが弱まったことがよかったのかと思います。ともかく無事でよかった。
その後は黙々と下山。下りはカニの横ばいがあったと思いますが気付かずに通過してました。
下りては登りを繰り返していきます。3点支持を意識してなるべく鎖には頼らず岩をしっかり掴むことを意識してクリアしていきます。
前剱岳からの下りはガレて滑るので岩登りよりもこちらの方が気を使って疲れる。
このあたりの斜面にはトリカブトの群生
コルから前剱岳を振り返る。
チングルマの綿毛やトリカブトの群生を見ながら一息つきます。
ここからは一服劔への登り返し。
一服剱まで戻ってくると剣山荘まではあと少し。この辺りでまた雨脚が強くなってきたので小屋まで急いで降ります。
剣山荘まで戻ってきました。
小屋に入ったら買い忘れる前に先ずは手ぬぐいを購入。
そしてお腹が空いたので朝カレー。まだ9時前ですが山で食べるカレーはいつでも美味い。
今日はまだこれから先が長いのでお腹が満たされたら急いでテン場に戻ります。
テントを撤収して室堂まで
劔沢キャンプ場に戻る途中。この時期でもこの辺りにはまだチングルマが残っていました。
10:30頃にテントを撤収して劔沢キャンプ場を出発。劔御前小屋へ登り返していると雲が切れて青空のもと剱岳がその姿を見せてくれました。
劔御前小屋到着。小屋前で小休止していると雷鳥沢キャンプ場方面から次々と登ってきます。
ここからは雷鳥沢キャンプ場へ下っていきます。雷鳥いないかなと見渡しながら歩いてましたが残念なことにこの日は会うことはできませんでした。
雷鳥沢キャンプ場からは登り返し。真夜中から行動して疲れてきたのとテント装備の荷物を背負ってるのでこの登りは堪える。
モクモクと火山ガスを噴き出す地獄谷。ここから湧き出した温泉は近くのみくりが池温泉などへ送られています。
この景色の眺めももう少しで終わってしまう。
日本一高所のみくりが池温泉。今回は立ち寄らなかったが次回来る時にはゆっくりと風呂に浸かって癒されたい。
みくりが池。紺碧の湖面にはぼんやりと映し出された逆さ立山。
13:46 室堂に戻ってきました。
1泊2日で立山と剱岳をまわってきましたが、初日の立山では3000M峰の稜線歩きが心地よく特に真砂岳までのルートはなだらかな斜面と万年雪のコラボは美しくずっと眺めていたい眺望でした。
2日目の剱岳ではガスと小雨で山頂からの360度の景色は望めませんでしたが岩登りのスリルを味わえたのと前劔からのモルゲンロートは絶景で思い出深いものになりました。
今回は一泊二日で少し急いで回ってきましたが次に室堂に行く時にはもうすこしゆっくりとして大日岳や弥陀ヶ原などにも寄ってみたいと思います。
登山日:2021年8月20日~21日
コースタイム:
1日目
7:30 扇沢
9:16 室堂
10:01 一の越山荘
10:55 雄山
11:36 大汝山
11:56 富士ノ折立
12:49 真砂岳
14:37 剱沢キャンプ場
2日目
3:25 剱沢キャンプ場
3:50 剣山荘
4:24 一服剱
5:12 前剱岳
5:53 カニのたてばい
6:20 剱岳山頂
8:40 剣山荘
9:35 剱沢キャンプ場
11:22 剣御前小屋
12:45 雷鳥沢キャンプ場
13:41 室堂
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